ナポリの名物ババ。Baba’ が食べたいなあと考えていたら
ふと、 ナポリで 『あの人って、Baba’のような人だね。』って表現があることを思い出しました。
Baba’はナポリを代表するお菓子で、ブリオッシュ生地にたっぷりラム酒入りシロップを
含ませてさらにクリームを詰め込んだりして甘さてんこ盛り。
スポンジの様なブリオッシュがおとなしくシロップを吸い込む様子が、
すっごくお人好しでちょっと弱腰な感じの人を形容する表現に使われていたのです。まあ
ネガティブというか人を小馬鹿にした表現ですが、甘ーいBaba’を使って愛嬌を醸し出すあたりが
ナポリらしい。
このお菓子いまでは、レモンチェッロがラム酒の代わりに使われたり、瓶詰めにされて
南イタリア旅行の名産として売られすっかりナポリタンなのですが、もとを正せば
ポーランド王室の人がフランスに亡命していた時に、ポーランド時代から食べていた
ブリオッシュの様なパン、Kugelhopfをラム酒に浸して食べたのが始まりだとか。
あまりの美味しさに、その王室の方の愛読書、千夜一夜物語にでてくる名前をとってアリババ、
と呼んで食べまくっていたようです。そんな彼のお抱えパティシエがパリにお菓子屋を
開くことになって、アリババだと著作権に抵触すると懸念したのか、ババ、と名前を短くして
売り出したそう。その後改良されサバランが誕生、フランス名菓として今も権勢をふるってます。
ナポリへはBaba’時代に18世紀ごろ伝わり、瞬く間にナポリ名物として定着し今でも変わらず
愛されています。
ナポリ中央駅から、港へ行く間にバールが何軒もありますが、一軒美味しいところが
あったんだよなあ。。。ナポリのアリババたちが集っていそうなバールだったなあ。